塗料の希釈と塗装間隔(乾燥時間等)について
塗料の希釈率の重要性について
塗料を水やシンナー等で薄めることを「希釈(きしゃく)する」といいます。
希釈することで塗料の粘度(粘り具合)を調節し、塗り易くなります。
塗料の粘度が高いとドロッとして塗り難く、ローラーや刷毛のムラが目立ちやすくなり、綺麗に仕上がりません。
逆に、希釈しすぎると粘度が低くなり塗料はサラサラになるので、塗料が垂れてしまいます。
塗料は薄めすぎても、濃すぎても良くありません。
又、各メーカーが定めた「希釈率」といって、塗料1缶1缶に対してどれくらいの量の希釈材を混ぜるかの割合が決められています。
塗料によっても希釈率は変わりますが、0%~10%といった感じで、幅をもたせてあります。
夏場などの気温が高い時期は塗料が柔く、サラサラしているので、希釈の割合は少なめに希釈しますが、
冬場などの気温が低い時期は塗料が硬く、ドロっとしているので、決められた範囲内で希釈量を増やします。
又、塗装する道具や機材等によっても塗料を使う量が変わるので希釈の割合は異なりますが、決められた希釈率の範囲内で、状況に応じてきちんと希釈率を守って塗装すれば何の問題もありません。
このように、時期や状況によって希釈の割合を調整しながら塗装します。
希釈率を守らないと・・・?
各メーカーが発表している塗料の性能や耐久年数は、適正な希釈率で混ぜられた塗料を使用した時の性能や耐久年数です。
この希釈率を守らないで規定より薄めて塗装をしてしまうと、塗料が持つ本来の性能が十分に発揮できず、耐久年数が極端に短くなり、塗装は長持ちすることができません。
「どんなに良い塗料を使って塗装しても、塗装する業者・職人がきちんと塗装しないと意味がない」ということです!
塗装間隔(乾燥時間等)の重要性について
それぞれの塗料には「何時間以上乾燥させたら何日以内に塗ってください」という「塗装間隔」が決められています。
この塗装間隔をきちんと守らないと、せっかく塗装しても、しっかりした塗膜ができず、すぐに塗装が剥がれたり、極端に耐久性が短くなるので、この塗装間隔はとても重要になります。
同じ塗料を重ね塗りする時に経過させなければいけない時間のことを「工程内間隔時間」といい、違う塗料を重ね塗りする時に経過させなければいけない時間のことを「工程間間隔時間」といいます。
塗料が乾くまでの時間は塗料の銘柄や種類、気温や湿度によって異なります。
下塗り・中塗り・上塗りの各工程でも乾燥時間は変わります。
洗濯物と同じように気温が高く、湿度が低い時は乾く時間は短くなり、気温が低く、湿度が高いときは乾く時間が長くなるので、その状況の変化に合わせて、きちんと乾燥時間と次回塗装までの時間を守りながら、次の工程に進まなければなりません。